モンゴルで・・・
モンゴルでは、ずっと馬に乗って10日間旅をしました。野を越え丘を越え大平原を越えての旅です。途中はやっぱりテント泊です。んで、モンゴルの人たちもゲルを建てての移動生活ですからトイレなんて無いのです。
モンゴルでのトイレは、ネパールと違って多少の起伏はあるけれど、どこまでも草原なのでかなりの距離を歩かないと他人から見えない場所には行けないのです。で、やっと此処なら見えないだろうと思ったところ迄たどり着くと、既にもう誰かがしてあったりするのです。(ToT)
モンゴルでは大地に穴を開けてはイケナイそうで、穴を開けてそこに埋めるという事も出来ません。で、タルバガンというネズミみたいなウサギみたいな草原の小動物の巣穴がいっぱいボコボコ開いているので、その穴を拝借して用を足した 訳です。
大抵は、もう使っていない巣穴なので、その中にタルバガンが居る訳では無いです。でもこのタルバガンの穴は、本当にいたる所に開いていて、馬で走っている時には気をつけないと馬もろとも倒れてしまいます。 大抵は馬がうまく避けてくれますが。
夜、みんなで歓談している時に一緒に旅をしている一人が、すごい経験を話してくれました。移動中にウンチがしたくなった彼は、一人みんなから遅れて馬の手綱を手に持ってそこで用を足し始めたそうです。 そうしたら、草を食べていた馬がだんだん食べながら移動し始めたというのです。彼はウンチの最中です。馬を手から放してしまう事は絶対に出来ません。馬を何かに括ればいいのにとは言うなかれ。そこはモンゴルの大草原です。何かに括りつける物なんて無いのです。
ウンチの最中で、先を行く誰かに助けて貰う事も出来ず、そこで彼は仕方なく移動しながら、歩きウンチをした という訳です。
旅を終えて、馬を貸してくれた一家の起点のゲルへ戻っても、もちろんトイレは無いです。モンゴルの人たちは大抵犬を飼っています。犬は家畜をオオカミなどから守ってくれます。そして犬達はとても激しくテリトリーを主張します。私たちが移動中にゲルが立っているのを何度か見ましたが、その側を通ると必ず大きな犬が吠えたてて威嚇してきます。知らない人を容易には近づけません。立派な番犬です。
そういう犬達ですから、たとえ一家にお世話になっているとはいえ、ずっと旅をしてきて一家のテリトリーで寝るのはその日が初めての私たちを簡単には受け入れてくれません。夜トイレに出ると、必ず見張るかのように後をつけてきて、用を足している私の後ろで見ているのです。これは守ってくれているのでは無く見張っているのだという感じでした。
モンゴルの草原では、家畜の糞は大切な燃料になります。
特に良いのが牛の糞です。日本の牛のベチャっとした糞と違ってモンゴルの緑の草原を食べている牛の糞は固まりでボトッと落ちます。そして、カラカラに乾燥した良い感じの糞を素手で集めるのです。え゛っウンチを素手でっ?とお思いでしょうが、良く乾燥した牛のウンチは全然臭くないし、良く燃えます。私はその質のいいウンチを探す名人だったのです。馬に乗って移動中も、「おっあそこに良いウンチが落ちてるなぁ。もったいないなぁ。」などと考えながら草原の風に吹かれておったのでありました。
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