トルコ見聞録

● 驚きのBUS事情
 トルコを旅していて一番驚いたのは、そのバス網の凄さかも知れない。 どんな小さな街でも、そこに人が住んで居れば必ずバスターミナルがある。  日本の市バス等のバス停を想像してはいけない。トルコのバスはトルコ全土を繋ぐバス網なのだ。

 つまり、日本に住む私達はどこかへ長距離のバス旅行をしようと思えば、自分の町から最寄りの大きなバスターミナルへ行かなければならない。トルコでは自分の町に長距離バスが乗り入れているのだ。もちろん全ての町に停車する訳では無いが、「えっ?こんな小さな町に?」という様な町でもバスターミナルがあるのだ。

 だから、私達のトルコ旅行は全てバスでの移動だった。マルマラ海を渡ってイスタンブールに戻る時と小さな島に遊びに行った時だけ船に乗った。バスは彼らの言うところの『ナイスバス』から私達の言うところの『ボロっちいバス』まで色々あって、チケットを買う前に次の目的地の看板を上げたバスを探し、ナイスバスかボロっちいバスかで私達は一喜一憂したのだ。ホテル代が浮くのと、時間を有効に使えるので移動は大抵夜行バスにした。ナイスバスでゆったりと眠れるかどうかは、大切な事だったのだ。

 バスの中では、たくさんのサービスがある。そのサービスもチケット売りの『売り文句』の中に入っている。「バナナがあるよ。コーヒーのサービスがある。シネマがある。」等々色々言うのだ。でもバナナが出た試しは無かった。"(-"-;)"
 どのバスに乗っても、必ずあるのが『匂い水』のサービスである。とても香水というものではなくて、トイレ休憩の後には必ずコレを持って車掌が回って来る。手を出すとジャバジャバとかけてくれるのだ。みんなが手を出しているので私も出して振りかけてもらった。ググッ。強烈な匂いである。ライム系の匂いなのだが、どーにもキツイのだ。でもそこは"水"なのでバスの中にいつまでも充満する訳ではない。他には、アメやお菓子がトレイに乗って回って来る。ジュースも回ってくる。色々とサービスがあるのだ。
 
 売り文句の『シネマ』は、ビデオでトルコ映画を流してくれる。
 私はコレにハマった。(笑) もちろんトルコ語なので、言葉はまったく分からない。が、ストーリーはとてもよく分かった。可愛そうな兄妹の映画では、なんと私は涙まで流してしまった。 貧乏な村にたまたま立ち寄って水をもらった金持ちの男性と、村のカミさんが恋に落ちて出ていってしまった話しでは、カミさんの夫の苦悩と小汚かったカミさんがエラく派手な成金奥様に変わっていく様子も面白かった。
 バスチケットを買う時に、「シネマはある?」と必ず聞くようになってしまった。(^-^;

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