トルコ見聞録

● これがホントのトルコ風呂
 何年か前まで、日本で『トルコ風呂』と言うと印象のよろしくない"風俗"のお店の事だった。
 私は、本場のホンモノの『トルコ風呂』に入りたくて、旅行の間ずっと機会をねらっていた。でも観光地では高そうだし、辺鄙な街ではあまり見かけないしで、結局念願の『ハマム』に入ったのは、旅も後半のブルガリアとの国境の町エディルネであった。 ここには観光客は殆ど来ないし、地元の人達のハマムであった。
 
 トルコ式蒸し風呂−ハマム
というので、蒸し風呂だと思っていた。
まず、入るとおばちゃん達が座って子供の靴下を編んだりして、井戸端会議を楽しんでいた。 横の部屋を指さし、あそこで脱げというので「パンツも脱ぐのかなぁ」、「シャンプーとか石鹸とかは持って行くのかなぁ」と初めて風呂に入るみたいに、グズグズとしていると、おばちゃんが「はよ来んかい」と迎えに来た。
 
 浴場に入ると、湯気がもうもうとしていたが、蒸し風呂というのとは違う。中央に大理石の大きな石の台があって、湯の溜まった洗面台のようなものが間隔をおいて壁に貼り付いている。その装飾の施された大理石の洗面台の前に連れていかれて、頭からお湯をザザーッとかけられた。 まずは、座った姿勢でおばちゃんがシャンプーしてくれた。シャンプーはあるみたいだったが、持参のシャンプーを使ってもらった。
 次は、身体を綺麗に石鹸で洗ってくれた。湯で流したあと、中央の大理石の台に寝そべれというので横になったが、真っ裸で他人の前に横になるというのは非常に恥ずかしいものである。寝て待っていると天井がよく見える。
天井は、日本のお風呂屋さんの浴場のように中央がドーム型に高くなっている。かなり高い。
 
 おばちゃんが食器洗いの様な感じの薄い布を手に、身体を擦り始めた。すると、友人を擦っていたおばちゃんと、私のおばちゃんが何やら奇声をあげながら大笑いしている。旅も後半だったし、ずっと湯船に浸かったりしていなかったので分かってはいたが、そんなに大笑いするほどのアカでもないだろうと、出てきたアカを見て驚いた! ただ者では無い程のアカの量だったのだ。角質化した皮膚も一緒にこすり取ってはいるのだが、それにしてもすごい量だった。
 向かい合って擦ってもらっている時に、おばちゃんのたわわに揺れるおっぱいを見ていると、その肌はスベスベでとても綺麗な肌をしていた。
言葉は通じないけど、「裸のつき合い」とはよく言ったもので、なんとなくおばちゃんと親しくなった。そこで、おばちゃんのおっぱいを触らせてもらった。プリンプリンのお肌だった。

 そのあと仕上げでまた身体を洗ってくれた。一緒にマッサージもしてくれる。この石鹸でマッサージするところだけを取って日本のどこかのバカが、かの"風俗"を『トルコ風呂』などと言い出したのだろう。
トルコはイスラムの国だから、これは許されない正当な抗議だったと思うのである。

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