角膜ジストロフィー 
僧帽弁閉鎖不全症(MVD)へ

Pet EducationEye Clinic For Animalという海外のサイトから

 角膜は眼の前部にある透明な部分で、風よけガラスのような役割をしています。
眼の内部を守り、光を通すために透明になっています。 

 角膜ジストロフィーは、白い不透明な無機物(コレステロールもしくはカルシウムなど)が角膜に沈着して両目の角膜が白濁する遺伝性の病気です。角膜ジストロフィーは片目あるいは両眼とも冒す可能性があり、患部の大きさ、形、白濁部の密度などはケースによりまちまちです。左右の目の同じ位置に、対称的に白濁点が現れるのが一般的です。白濁部は多くの脂肪分を含んでいます。
この病気にかかった犬のほとんどは6ヶ月齢以上です。

 また別のタイプの角膜ジストロフィーでは、角膜のなかで脂肪分の多い場所に白濁が発生するものもあります。

この病気にかかりやすい犬種はエアデールテリア・シェルティ・ハスキー、ビーグル、アメリカン・コッカーなど。(★訳注1)

 徴 候 

通常は透明である角膜に、白っぽい不透明な部分ができるのが徴候です。
症状がひどいときには、角膜全体がくすんだり、青みがかったりします。

 危険度 

 この病気の多くは進行性で、最初は角膜の小さな白濁点から始まり、ついには角膜表面のほとんどを覆うようになります。
 脂肪分の多い部位にできる角膜潰瘍が、視力に障害を与えるようになるかも知れません。(★訳注2)

 手 当 

 現在のところ角膜ジストロフィーに効果的な治療法はありません。
 角膜ジストロフィーはよくある病気ですが、失明にまで進行してしまうことはめったにありません。
 一般的に角膜ジストロフィーは軟膏や目薬などの治療では治りません。 角膜除去手術で、患部の表層を外科的に切除する場合もあります。
 しかし手術した後に再発することが多いです。角膜ジストロフィーにかかった動物は、通常ほとんど不快感を感じません。(★訳注2)
 しかしながら白濁沈着した角膜に潰瘍ができることがあります。眼の充血、涙、斜視などが角膜潰瘍のサインです。
 これらの症状が見られたら、獣医さんに相談して下さい。

★訳注1:ここでは言及がありませんが、キャバリアにも角膜ジストロフィーの発症例はあります。

★訳注2:角膜ジストロフィーにかかった犬は強い痛みは感じないようですが
      羞明(しゅうめい)といって光を嫌がる傾向があります。

和訳協力:Y.Takabe