8/4  ジャイサルメールJAISALMER

 まだ夜が明けきらない頃、すごい小鳥の声である。それこそ降るように、4月の雨のように聞こえてくる。それを聞きながらまたうとうとし、日が出た頃に起き出した。朝食をして、なんとジープで戻った。 あぁ、今日もらくだに乗れるとよかったのにぃ!!!と悔しい。バトラーめ、自分は昨日もジープだったからな。らくだが怖いに違いない。

 ホテルへ戻る途中、学校があったので寄った。今回の一行、私と画家を除くとみんな先生なのである。学校のグラウンドでは、インド独立50周年の記念式典に向けて、マスゲームや行進の練習中だった。体操の動きの中にも、インドらしいヨガっぽい物があったりして、おもしろかった。
靴屋
靴屋のおやじさん

 昼食までの時間、バザールに買い物に行った。何とかいう、アラビアンナイトみたいな靴がとてもかわいいので絶対買いたかったが、とうとう入手。私のとてつやさんのと一足ずつ買う。らくだの皮に刺繍がしてある、ホントにかわいい靴である。それで、滅法履きごごちがいい。もう一足ほしいなぁと思った。 サリーの下に着るブラウスとペチコート、それにパンツスーツをオーダーした名取さんと一緒に、それらを受け取りに行った。生地は生地屋さん、縫うのは仕立屋さんときっちり仕事が分かれている。これがカーストと言うことなのだろう。職人が、職人としてきっちり生きているわけだ。どこでもたいていそうだが、バザールを歩いてると、日本語ができたり、観光客好きだったりする少年が、何となくまとわりついてくる。ジャイサルメールの日本語少年はチャイやさんの息子だ。学校で日本語をやっているという。その子が通訳もしてくれる。

 まず、仕立屋に行った。そこは半間間口くらいの、ミシンだけが置いてある店で、おじいちゃんと少年が職人だ。もう一人小さい子がいるが、これは通訳。おじいちゃんは英語ができないから、月250RSで雇われているのだという(日本語少年が教えてくれた)。このちびがくせ者で、おじいちゃんが言った値段よりちょっと多めに要求する。名取さんは、オーダーの時の値段交渉で気づいたそうだ。いやはや、小僧、大したもんだ。 サリーの生地をホテルから取ってきた名取さん、生地屋さんに言って着付けてもらうことにしたというので一緒に行った。そこには、ハンサムなお兄さんとおじいちゃん。おじいちゃんは、男は女の体に触れてはいけないと言う。だから、お兄さんは、自分でサリーを巻いて見せた。それで名取さんもやってみたがうまくいかない。とそこへ、二人の美人。身内の人かなぁ?やにわに名取さんに近づき、するするっと着付けてしまった。
 午後は、ちょっと観光をして、フリータイムになった。みんなは早速バザールにお買い物にいったようだが、私たちは、洗濯と休養に充てることにした。きっと今夜もよく寝られないだろうから、少しでも寝ておいた方がいい。こまめに休まないと疲れがたまって、みんなが観光しているときにホテルで寝てることになるから。 夕食は外のレストランで取った。3階くらいの屋上になってるところなので風が抜けて、町の通りがよく見えて楽しかった。夜結構遅くまで人が出ている。みんな連れだって、買い物だろうか、食事だろうか。昼間は暑いから夜になると元気になるんだな。

 ジャイサルメールは、町全体がゆっくりしてて、人がよくって、よく田舎に行くと「ここはいいねぇ」って思う、そんな感じの町だった。デリー辺りの人が来ても同じように思うそうだ。来るのはとっても大変だけど、だから昔のインドが残っているのだ。



8/5 ジャイサルメールJAISALMER →ジョドプルJODHPUR

 よく寝た。もう、ヤモリなんかはへでもない。砂漠でサソリも見ちゃったんだから、と言うわけだろうか。
 朝、屋台でオレンジのような物を買ってバスに乗り込む。ここのホテルは長くいたから、何となく別れが惜しい。従業員の人たちがみんなでて、見送ってくれた。よくサービスしてくれた兄ちゃんは、一家で彼だけが働き手。一ヶ月600Rs で働いているそうだ。 ジョドプルでは、まず学校訪問をした。将来は何になりたいですかという質問に、「医者になりたい」という希望が圧倒的に多い。インドは貧しいとか言うけれど、子供たちの目のきらきらしてること。カーストっていう厚い壁は未だ健在でも、子供たちは、自分の未来に希望を持ってる。ここが、日本の子供たちとすごく違って、すごくうらやましいとこだなと思った。

 そしてバザールへ。ふらふらしながら、スパイスやら雑貨やら、服やら紅茶やら、いろんな物を見て回る。いっぱい買い物の人も出ている。道ばたには、おきまりの牛と、山羊がいて、犬が寝転がっている。犬は、踏まれることなんて考えていない。店先の、人が行き交っているところで、どでーーんと横倒しである。みーんないっしょに生きているって感じかな。
 私は、布地屋さんですごい大判のスカ−フを買った。絞り染めで模様が描かれている。この手法はアジアのどこにでもあるんだな。それをバンダナに巻いて、ひらひらさせながらリクシャーに乗ってホテルに帰った。

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