8/9 アジメールAJMER

 今日は、アジメール近郊のプシュカルと、アジメールの町中のお寺巡り。
 プシュカルは小さな村だが、お寺が多く、巡礼の時期には人口が普段の何十倍にもなるそうだ。私たちの他にも白人の観光客の姿もあり、観光地なのだと納得する。
 最初のお寺で、訳も分からず、そこにいたお兄ちゃんに花をもらった。ここは、バラが特産品なのだという。お寺に捧げるお花もバラで、その一部を分けてくれたようだ。で、このお寺を出て、近くの湖のガート(沐浴場)に行った。私たちが着くと、マンツーマン体制でおにぃちゃんが付く。こりゃなんかあるなと思っていた。以下、そこでの様子。
お兄ちゃん 「その花を手のひらで包み、額に押し頂きなさい」
(以下ぽよ) 「こう?(と言われた通りにする)
お兄ちゃん 「それでこうやってお祈りするんだよ、さあ私の言うとおりにしてごらん(と、ヒンディーの神様の名前をずらずらずらっと並べ上げる)
ぽよ (言われたとおりにしたかったが、よくわかんないのもあるので適当に言う)
お兄ちゃん 「神様、私と私の父と母と兄弟と・・・云々かんかん・・・・幸多きことを祈ります」
ぽよ 「なんだかよくわかんないが、ファザーとかマザーとかブラザーとか、
何とかかんとか むにゃむにゃむにゃむにゃ・・・」
お兄ちゃん 「よしこれであなたは幸せになるから、ボクに1000Rsでも2000Rsでもくれるよろし」
ぽよ (ほらほら、きたきた、これだったんだな)私のお財布はダーリンが持ってるから、 私はお金がないのよ。エッと、ちょっと待ってね。(ポッケをごそごそ)あらぁ、ラッ キーだわ。ほらほら10Rsあったわ。どうもありがとねぇ、なますてぇーー」
 今回は私の勝ちである。 ところが、隣でチャージされていた画家青年、ずいぶんお布施してしまったそうだ。こういうのを値切っちゃどうかなと思って・・・・、と言う彼がとてもいい人で、私はなんだか姑息なおばさんに思えてきた。

 午後、アジメールお目玉でもあるイスラムのお寺に行った。参道は大にぎわいである。門前にはお供えの花を売る店が多く、バラの香りでむせ返るようだった。帽子を被らないとお寺に入れないと言うので、帽子を売る売り子もいる。

移動手段は馬車なのだ
移動手段は馬車なのだ

 お供えの花かごを買ったり、靴を預けたりしている私たちのところに、疱瘡にかかった子を抱いた女の物乞いが来た。やはり、人がたくさん集まるところには物乞いも多い。私は、物乞いは無視することにしている。「この人たちも好きでやってるわけじゃないんだ、カーストもあるし、社会が悪いと言うこともあるし」と考えて、施しをするのも、「自立しようとしないのは、問題なのよ。現状に甘えてるわ。これしかできないって言うけど、物乞いで、まともに働いてる人の何倍も稼いでる人だっていっぱいいるのよ」と考えて、その存在を不愉快に思うか、どうしたって、それがいいとは思えないのだが、旅行者である私は、わからないから無視するのである。でも、その都度なんだかなぁと思う。

 お寺参りをした帰り、馬車に乗ってまたその山門近くを通ったとき、てつやさんが、馬車の上で、お寺用に買ったイスラム帽子を野球帽に被り替えた。すると子供が二人、ばーーーっと駆け寄り私たちの馬車にとりついて一緒に走る。そして、「脱いだ帽子をくれ」と言うのだ。二人は叫びながらずーーーっと付いてくる。これには参った。「いけない!NO!NO!」とずーーっと叫んだ。あげちゃえばよかったのかもしれない。あの子たちは、脱いだ帽子を誰かに売るんだろう。それで、あの子たちの家族がちょっと幸せになるのかもしれない。あの帽子は、私たちにはいらない物だ。こうやって考えてしまう場面にひょいっとぶつかるんだな。


8/10 アジメールAJMER → ジャイプルJAIPUR → デリーDELHI

 いよいよ帰路である。
 ジャイプルは都会だ。道も広いし、人も多い。アンベール城を観光。このお城は高台の上にあり、そこまでは象に乗っていく。象の背中に箱をくくり、横向きで片側に二人、一頭に4人乗る格好である。象は、坂をゆっくりゆっくり左右に揺れながら進む。らくだが前後に揺れていたのとはまた違う味わい。参ったのは、物売りである。参道横の土産物屋からしょっちゅう声がかかるのはまだいいが、売り子が付いてくるのだ。こうなっては無視するしかない。日本人を乗せた帰りの象とすれ違うと、「ずっと付いて来ますよぉ、がんばってねぇ」とのこと。
 と、象が止まり、左右の揺れが激しくなった。おっと、と手すりに掴まると、御者がなにやら叫んで象を叱咤している。「こら!どうしたんだ!!ちゃんと歩かなくちゃだめだろう!!こら!こら!」という感じ。でもね、これはお芝居。なんだかそう思った。らくだの時、乗るとすぐに水を飲みに連れて行かれたが、らくだはそんなに水が欲しそうでもなかった。ははーーん、演出だなと思ったが、今度もそうなのだろう。それにしてもおやじ、迫真の演技である。

 城は、かつての支配地を眼下に納めることのできる絶景の中にあった。下に見える人造湖は、そのころに作られたという。やはり、この地では、水を支配すること、確保することが肝心なんだな。今は、人々が水浴びなんかをしている。
 城内でおもしろかったのは、プラネタリウムの部屋。天井や壁に鏡を埋め込んである。部屋の中を真っ暗にし、ろうそくに火をつけると、炎が反射してそれはきれいである。

 ジャイプルの町中での見物は風の宮殿である。人前に出られない后や女官たちが涼んだり人々の様子を見るために、窓がたくさんある建物をつくったのだ。ジャイプルはピンクシティーと呼ばれるが、その名の通り、ピンク色(オレンジがかった感じ)の建物が多い。この風の宮殿もその色である。 ところが、この、町一番の観光地は、また、町一番のやっかいなところでもある。バトラーさんの話によれば、風の宮殿前のバザールの店は、かなり悪質だという。布を見ろ、宝石はどうだと言っては客を中へ入れ、扉を閉めて、何か買うまで出さないのだという。ガイドが同行しようとすると、ここは俺たちに任せろと閉め出されるとか。そんな話を聞きつつ、私たちはそこへお買い物に行った。
 案の定、お兄ちゃんたちが布は?宝石は?とついてくる。ぜーーーんぶ無視してがんばっていたが、とてもじゃないがしつこくて参ってしまった。ここでは買い物はできそうにない。布も買いたかったのに。私とてつやさんは、兄ちゃんたちを避け、通りをずんずん進んだ。と、一軒の布団屋さん。おじいちゃんが店番をしている。そこにサンガネール染めの、ただし機械染めのバッタもんがあるのを発見。何か買わなきゃ気がすまない私は入っていった。おじいちゃんは英語が分からないようだ。孫息子に息子を呼びに行かせたのか、程なく二人のお兄ちゃんが来て、通訳してくれた。ダブルとシングルのベッドカバーを買って、二枚で、105Rs。孫息子が話しかけてくる。「ハワユー?ホワッチュアネーム?」。インドの子供はだいたいこう聞いてくる。私は試しに、ウィッキーさんのワンポイント英会話でやっていたあの質問をしてみた。「May I ask your name prease? 」ちびちゃんは、「マイネームイズ何とか」とちゃんと答えた。おぉ!!通じた!!この程度で喜ぶほどの英語力である。(^^;)
 ジャイプルでバスや、運ちゃんや助手さんと別れ(;_;)、特急電車に乗った。なぜか寝台だったが、おかげで楽ちんだった。11:00過ぎにデリー着。一泊目に泊まったのと同じホテルだったが、とても高級な、いいホテルに見えた。

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