第3話:「むこ殿を探せ!パート2」


やんちゃくれモモ
 お世話になるペットショップのオーナーの方は、慌てることなく「出血の初日を 見逃さない事」と、「モモをお店に連れていく日にち」を私に伝えた。

 その日から、私は暇さえあればモモをひっくり返しては、確認した。 モモにとっては迷惑な日々だったろう。 ティッシュを持った私がヘラヘラしながら近づくと迷惑そうにため息をつくよう になった頃、遂に初日がやってきた!

  「もう、後戻りはできない・・・」

 そう思った瞬間、今まで私から離れたことがないモモを、何日間かよそへ預ける 事がとても罪なことに思えてきた。 それも、ただ預けるのではない、交配に行くのだ。 自分が結婚を決めたときより、深刻に悩んだ。・・・イヤ、ホンマ。

 しかし、悩みながらも頭の片隅では、子キャバに囲まれている自分を想像してい るのだから、勝手なモノだ。

 「ごめんね、モモ。ちょっとの間だけだから頑張ってね・・・。」
  何もわからずしっぽを振るモモを抱きしめながら、自分にもそう言い聞かせた。

それからアッという間に1週間過ぎ、出発の前の日がやってきた。 普通、12日目〜13日目頃に1回目の交配をして一日おいてもう一度・・・という、 パターンだそうだが、もしかしたら私が初日を見逃しているかもしれない、とい う可能性もあるので早めにあちらに送るとのことだ。

 モモのエサを一回分ずつ袋に入れながら、「こんなの持たせても、きっと食べな いままゲッソリ痩せて帰って来るんだろうな・・・」と、気が重い。 その他、散歩をさせないと排泄しないことや、お願い事などを書いたメモを添え てため息をつきながら荷物をひとまとめにした。

 次の日・・・。 これから自分に何が起きるかを知らないモモは、いつものようにはしゃぎながら 車に乗り込み、それから私は複雑な気持ちで1時間あまり車を走らせた。

 お店に着くと、ホワイトペキニーズの赤ちゃん達が、つぶらな瞳で迎えてくれた。  そして、今まで扱ったキャバリアの親子の写真をいくつか見せてもらったのだが その中にトライの母犬にピッタリ寄り添っているブレンの子犬の写真があった。

 キャーーーーッ!超ラブリーーーーーーーーッ!!!

 さっきまでの、ブルーな気持ちはどこへやら・・・まるでキャピキャピの(死 語?)女子高生のようにキャバ談義を始めた。

 ところで、お婿さんの毛色のことだが、モモは、先祖がずっとトライカラーなの で、相手をトライカラーにするよりブレンハイムの方が、柄の出方がいいだろ う・・・という話を前に教えていただいた事があった。

 でも、トライカラーの子は絶対欲しい・・・。 正直なところ、迷った。 この日までに私は、“お母さんがブリーダーをやっていた”という、モモのかか りつけの獣医さんや、ご親切な方が教えて下さったブリーディングに詳しいペッ トショップの方、モモが生まれた犬舎の方・・・そして、今回お世話になるペッ トショップの方・・・などいろいろな人の意見を聞いて、ブレンに決めていた。

 

うっぷぷぷ(笑)すごいお顔で眠るモモ
柄がきれいな子に越したことはないが、「とにかく、病気のない元気な相手をお 願いします。」と、いうことは、一番初めに言ってあった。 「それは、交配をさせるなら当然のこと」と、言われて安心した。 モモ自身もフィラリアの血液検査の時、獣医さんに健康診断をしてもらって、キ ャバリアにありがちな心臓に異常はないか診てもらっていた。

 血統書の確認をしながら、お店の方が「どっちが生まれるか、楽しみですね!」 と微笑みながら言った。 その言葉は、私のワクワクに拍車をかけた。

 すでに頭の中では、小堺一機が「何が出るかな、なにがでるかな・・」と、サイ コロ持って、踊っている。

 ちょっぴり、びびったのが「今まで、ウチではそう言う事故はありませんが、初 めての交配と言うことで、ショックを起こさないとも限りません。それをわかっ ていただけたら、サインをして下さい。」と、同意書のような紙を出された事だ。 「そんなこと、絶対ありませんように!」と、祈りつつ震える手でサインをし た・・・。

 手続きを全部済ませ、私は振り返らないようにして店を出た。 モモが見えたら、泣きそうだったから・・・。

 モモがいない車内は、とっても広く感じた。

                    第3話:おわり         

感想はモモ母さんまたはつぼねまで、よろしくっ!


[天使がやってきた TOP]

BACK HOME NEXT