犬と暮らす

『犬と暮らす』という事について考えている事、是非知っていて貰いたい事、一緒に考えて貰いたい事なんかを色々と書いてみました。『犬と暮らす』って楽しいけど、そればっかりでもない。色んな事を考えさせてくれる。。。

めぐり逢い /ブリーディング(繁殖)について /犬の健康と病気
飼い主が病気になったら / 愛犬が死んだら / あなたは何故犬を飼うのか

 ブリーディング(繁殖)について考える 

 犬と暮らしていると、その子を愛していればいる程その子の子供が欲しくなる。それは当然の気持ちだと思います。 でも、子供を生ませる、つまり繁殖すると言うことは新しい命が生まれてくるという事なんです。当たり前の事ですけど、もう一度考えてみてください。その命のひとつひつとに責任が持てるのかという事を。
 私は、責任が持てません。だから絶対に繁殖はしません。

 今私達の目の前にいる子達は元気で可愛くて、大きな障害を持つ子はいないでしょう。でも生まれてくる命が全部そうだとは言えないです。例えば、股関節形成不全の子が産まれない確証は無いし、もっと言えば、眼球の無い子背骨の曲がった子発育不全で生まれても生きられない子、そういう子達に私はどうしてあげる事も出来ません。
 現在、乱繁殖された犬種では様々な遺伝性の疾患が多く出てきています。ひどい子では内蔵の形成がまったく不完全だったりするそうです。キャバリアの心臓帽弁膜症も遺伝性疾患です。老齢での心雑音の発症は100%だとデータが示しているそうです。

 私の前の子(ヨーキー)は、潜伏睾丸(いわゆる片キン)で、生まれつき被毛が薄く背骨も少し曲がっていました。ブリーダーが処分(殺処分!)するというのを妹が引き取って来ました。でもこの子は結局一生病気ばかりして、大きな手術も何度もしました。そして、わずか8年で天国へ行ってしまいました。以前の私は、この子につきっきりで世話してあげられました。でも今は、その環境がありません。そして、もしも今環境が整っていても将来ずっと障害を持った子を受け入れる環境が続く保証は無いと思うから、つまり責任が持てないから、繁殖はしません。

 幸いにもまったく何の問題もなく出産できて、仔犬達にも何の問題もなかったとして、ではその生まれてきた仔犬達は何処で一生を過ごすのでしょう。 よく聞くのが「1匹は手元に置いて、あとはペットショップに引き取って貰う」という事です。
 なんという無責任な事でしよう! 全く信じられない事です!
 ペットショップに委ねてしまったら、その仔犬がどんな家にいくのか、どんな人と暮らすのか、どんな環境なのか全くわからないのです。 幸せに暮らしてくれたらいいけれど、もしも売れ残ったら? その仔犬はどうなるのでしょう。

 自分の手元に置いて、納得のいく飼い主の元へ送り出せたら一番いいけど、納得のいく人が見つからなければ残った仔犬をどうすればいいのでしょう? 私は残った仔犬のすべてを面倒みることが出来ません。

 すべての仔犬の為にいい飼い主さんが見つかったとして、成長した犬に遺伝性の疾患が発症した時、やはり繁殖者はその責任もとらなくてはなりません。命に対する責任とはその仔犬の一生に責任があるものだと思います。
 そして繁殖すると言うことは、送り出した仔犬が成長してまたそこで繁殖するかもしれないという事。つまり行く末ずっと責任があるのだという事を考えてみた時、私にはとても責任が持てません。

 何もそこまで考えなくてもと思いますか?
 でも『うちの○○ちゃんにも赤ちゃんを産ませてあげたい』とは、つまり繁殖するという事とはそういう事だと思います。

めぐり逢い /ブリーディング(繁殖)について /犬の健康と病気
飼い主が病気になったら / 愛犬が死んだら